2013年5月9日木曜日

壊れたビス穴の修復 ビンディングのビス穴修復用アンカーの加工方法



ビンディングビス穴修復用アンカーの説明です。

ヤフオクの商品説明だけでは書ききれないものを少し足しています。

このアンカーは、衝撃で抜けたり、水分による腐食や施工ミス(太いドリルで穴あけしてネジが抜けやすかった)などで広がってしまったビンディングやプレートを板と接合するビス穴を再生するものです。1センチ弱の大きさです。
 
 ビンディングのビス穴修復用アンカー 壊れたビス穴に!_画像1


スキー専用のメンテナンス用品(オーストリア製)ですので、ホームセンターで売っている普通のアンカーとは違います。中央のネジ穴がそもそもビンディングのポジビスのサイズにあわせて作ってあるので、板に無事加工できれば、とても素直にビンディングが取り付けられます。

スキー板の場合、アンカーごと抜けてしまっては困りますが、板の厚さはせいぜい2センチ、その制限の中で、固定時に抜けないアンカーで、ちょうどいいものを見つけるのはまず無理でしょう。

最初は、オガサカの板と、純正樹脂プレート(FM550)のネジのうち、一番後ろの一本のビスがどうも緩んで、プレートがカタカタしていたのに気づき、ネジを締めなおしたら、いくらでも回転する状態で、「これはダメだ」と諦めていたところ、この補修パーツがあることに気づいて、試しに購入したのがきっかけでした。

業務用のものだったらしく、買ったら大量に入っていたため、いまでは、小分して出品しています。

アルペンビンディングとテレマークのカテゴリーに出していますが、入札されるは五分五分くらい。ということはテレマーカーは、かなりビス穴拡大で困っていることが伺えます。


加工方法

広がってしまったビス跡の上から、太さ8ミリのドリルビットで9ミリの深さに穴をあけ、このアンカー)を打ち込みます。その上から、ビンディングのネジを締めることで、内部でアンカー先端のギザギザが広がり、抜けにくく、しっかりと固定される・・・というものです。

参考写真(施工箇所)
 
9ミリの深さに穴をあけるのが少し緊張しますが、少しずつ深さを確認しながら行えば、専用のストッパー付きドリルでなくても大丈夫でした。

いきなり挿入して抜けなくなると大変なので、まずは、細い釘を下側の穴から通して、引き抜けるようにしておいて、下穴に入れて深さが足りているか確認します。

ビンディングのビスを上から締めて、全体が広がらない限り、抜けなくなることはまずありません。

穴を埋めるだけの「P栓」なら多少とび出ていてもカッターで削るだけですが、アンカーはそうはいきません。深さは目視だけではなかなかわからないので面倒でも確認作業はちゃんと行ったほうがよさそうです。


8㎜のドリルビットはホームセンターでも買えますが、それなりの値段だったりします。オーソドックスなドリルの先端形状でOKなのですが、木工用だと突起があったりして、なかなか都合の良い形状でお手ごろのものがありません。バラで売っていないので、知人に頼んで時々まとめがいしています。

ヤフオク!ではドリルビットが買いにくいことを考慮して、金属・木・樹脂などに穴をあける多用途の8ミリドリルビットを1本300円にてお譲り致します。
 
8ミリドリルビット 追加1本300円です

刃の先端形状が木工用より純正品(純正のものは0.5万円くらいするらしいですが、深さを一定にするガイドがついています)に近いと思います。
ホームセンターなどで8ミリドリルを探すのが面倒な場合は、落札後に追加のご連絡を願います。
 
 

 

[私が施工したときの手順]

  1. 広がった古い穴に大きいナンバー3のプラスドライバーをねじ込み穴の入口付近を広げます。プラスドライバーは適度に先端が細く、徐々に太くなるため、中心をずらさず、穴の入口付近を広げやすいです。ポジドライバーはもったいないので使いませんでした。
  2. 8㎜のドリルビットで穴を広げ、深さ9ミリまであけます。ドリルビットは先端がとがっているので、中心の深さでなく、円柱状のものが9ミリ入る深さにあける必要があります。
  3. ドリルで穴をあける際、ストッパーがあると便利ですが、専用工具でなければストッパーはつきませんので、慎重に行います。特に、金属製の補強材が深さ3ミリくらいのところにある場合、ここが硬いのであせらず時間をかけて補強材の層を貫通します。
  4. 穴があいたら、防水の意味もこめて、多目的接着剤を穴に流し、アンカーを打ち込みます。
  5. アンカーの穴の中心から接着剤がはみ出してきますので、不要な細いネジなどを差し込んで、余分な接着剤を取り除き、ビンディングのネジが入るようにしておきます。
  6. 接着剤が固まるころを見計らってビンディング(プレート)を取り付けます。


【強度についての考察】
板の心材の状態や、最適な穴の大きさと深さに加工できるかで結果は変わってくると思います。
問題なく施工できれば、ちょっとくらいのことでは抜けそうもない感じはあります。

一般的に、普通に板に打ちつけたビスは、表面付近のネジ山に集中的に負荷が掛かりますが、アンカーの場合、板と接合する面積が広くなり、奥がより広がるため、負荷が分散し、板表面付近への局部的な負担も軽減するはずです。ただし、実際、どれくらいの強度があるのか、修理した後の板を自分でしばらく滑走して実証したことがないので何とも言えません。


旧ビス穴が干渉しているときにも使えるかも

友人に頼まれて、古い板に別のビンディングを取り付けた際、古いビス穴と新しいビンディングのビス位置が数ミリの差の場所があり、普通ならあきらめてセンターをオフセットするところ、アンカーの直径8ミリの中に、古い穴がすっぽり入る状態だったので、新しいビス穴位置を確定して、ポンチで中心に目印をつけ、慎重に穴をあけて、古いビス穴をそっくりアンカーにしたところ、無事ビンディングを取り付けることができました。コブを滑っても今のところ抜ける様子もないです。
 


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